不定期連載
フェイバーWebディレクターによる
Webサイト制作・運用のお役立ちtips

企業サイト構築・運用時の
コスト削減、納期短縮に効果大!
クラウドサービスの使い方

クラウドサービス(クラウドコンピューティング)はソフトウェア、アプリケーション、データなどを、インターネットを経由して購入・利用できるサービスの総称です。
SNSやWebメールもクラウドサービスのカテゴリーに含まれますが、企業サイト構築用としても、「フォームシステム」「サイト内検索システム」「ECサイト構築システム」などさまざまな種類のものが提供されています。
その便利さから導入する企業が年々増加しているクラウドサービス。今回はサービスの種類や導入時の注意点などについて、当社Webディレクターの佐藤幸一、尾谷和美がQ&A形式でお話しします。

佐藤 幸一(さとう こういち)

Webディレクター歴22年。
プログラム製造やシステム開発を伴うWebサイト制作・運用案件、各種SNSを使ったキャンペーンサイトの構築・運用を得意とする。 CMS導入、活用支援に関しても数多くの経験、実績を持つ。

尾谷 和美(おたに かずみ)

Webディレクター歴20年。
ランディングページや小規模サイト制作から大型サイトの構築まで、業種や業界を問わず、多数の実績を持つ。Webサーバ周りについての知識や経験も豊富で、サーバ移管の案件も数多く手掛けている。

クラウドサービスは何ができるの?

クラウドサービスにはどのようなものがありますか?
企業向けのクラウドサービスは、自社のWebサイトにさまざまな機能を付加するためのものです。
クラウドサービスを導入することで実現できることとして、「お問合せフォームや資料請求フォームの構築」「サイト内検索機能の追加」「IR情報の管理・自動更新機能の実装」「デジタルブックの作成」「SNSキャンペーンの実施」「チャットボット機能の導入」「ECサイトの構築」などが挙げられます。
クラウドサービスにはASP(Application Service Provider)、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)などの種類があります。厳密にはSaaS、PaaS、IaaSはそれぞれサービス内容が異なりますが、すべてクラウドを利用したサービスです。
企業サイトの構築・運用のためのクラウドサービスはとてもたくさんリリースされていますので、まず達成しようとする要件をよく見極め、最適なサービスを選択・導入することが大切です。

クラウドサービス導入のメリットは?

なぜクラウドサービスを利用するのでしょうか?
「フォームシステム」や「サイト内検索システム」など、企業とサイト利用者の利便性を高める機能を独自に開発してWebサイトに実装するには、一連の作業に多くの時間やコストが必要になります。
多くの企業で一般的に利用される機能を標準化したパッケージとして提供するクラウドサービスを利用することで、時間やコストを抑えながら必要な機能を自社サイトに付与できる点が、クラウドサービスを利用する最大のメリットです。
多くのクラウドサービスでは、サービス提供者が最新のセキュリティ情報に基づいた定期的なチェックを行うと共に、ユーザーからの指摘を随時反映したアップデートを行うことで、安全な運用の精度が高められていることもメリットの一つです。
ただしサービス提供者によって運用ポリシー・体制は異なりますので、サービス導入前にセキュリティ対策やサービス利用時の利便性について、しっかり確認しておく必要があります。
広く普及している「ECサイト構築・運用システム」を例に挙げると、サイト上に商品をアップロードしてユーザーが快適に閲覧できるようにする機能やさまざまな決済方法に対応した決済処理機能はもちろん、ユーザーごとに違ったコンテンツを表示するパーソナライズ機能、送料表示の最適化機能、実店舗との在庫管理共有機能など、サービス提供者が機能を競い合っている状況です。さらに販売するのが物品か、デジタルコンテンツかによっても適したサービスは変わってきます。
導入後のサービス変更は煩雑で余計なコストもかかりますので、導入前に多角的な検討を行い、必要であれば導入プロセス自体をWeb制作業者に依頼することも有力な選択肢となります。
SNSを使った「賞品提供キャンペーン」も、クラウドサービスを利用することで素早い立ち上げが可能になります。
一例を挙げると、SNSで使われるハッシュタグから投稿を自動収集、内容を検閲、管理しつつWebサイトに表示するようなことも可能です。キャンペーン参加者の中から賞品当選者を自動抽出(抽選)する機能や、賞品発送の際に当選者とコミュニケーションを取るための機能もありますので、キャンペーン開始から終了までの作業を円滑かつ迅速に進めることができます。

クラウドサービス導入の注意点は?

クラウドサービスにデメリットはあるのでしょうか?
クラウドサービスは、多くの企業に利用される機能を標準化したパッケージとして提供することで導入時間とコストを削減することが特徴なので、基本的にそのクラウドサービスが提供している機能以外は利用できません。
API(Application Programming Interface)が提供されているサービスの場合は、APIを利用して機能を拡張することが可能ですが、その場合は相応のコスト、時間が必要となります。
導入時の初期費用に加えて月額利用料金が必要となるため、長期間利用する場合には自社で開発する場合との費用の比較が重要です。
利用料金がドル建てで計算されるサービスもあるので、為替相場によって利用料金が変動することもあります。また、提供されているサービスが終了してしまうリスクもあらかじめ考慮しておく必要があります。

事例集

当社でのクラウドサービスの導入事例、利用事例をいくつかご紹介します。

事例①
フォームシステム
資料請求、各種お問合せなど、顧客からの情報取得やコミニュケーションのためにフォームシステム構築を行いました。CRMツールとしても利用可能で、アクセス解析やステップメール(※)の配信など、フォームから取得した情報をマーケティングのために活用できます。キャンペーンの応募フォーム、ウェビナーやセミナーの予約フォームなどへの応用も可能です。
(※)ステップメール……特定のアクションを起こした顧客に対し、複数のメールをスケジュールに沿って配信していく仕組み。
事例②
サイト内検索システム
Webサイト内にあるページやPDFなどのコンテンツから、任意のワードを検索できる機能です。検索候補の表示をするサジェスト機能や検索結果の該当ページを画像としてサムネイル表示する機能など、利用者の利便性をより向上させる機能も用意されており、検索ワードの分析など管理機能も充実しているので、サイト改善の資料として活用することも可能です。
事例③
SNSキャンペーン
Twitter、Instagram上でのハッシュタグを利用したキャンペーンを実施しました。
「全国47都道府県へのメッセージをTwitterで投稿してもらう」というキャンペーンの際には、都道府県ごとのデータを集計し、その結果に連動して日本地図上の各県の色が変化していくシステムを構築しました。ハッシュタグキャンペーンやリツイートキャンペーンなどに加え、リツイートした瞬間に当選結果が表示されるインスタントウィンの導入も可能です。
事例④
ECショップ(ECサイト)
動画販売用のプラットフォームを利用し、スペシャリストを対象に動画を販売するWebサイトの構築をお手伝いしました。動画データの単体販売に加えてサブスクリプションでの販売も採用。YouTube限定公開といった別のサービスとの連動施策も実施しています。
事例⑤
デジタルブック(eBook、電子ブック)
デジタルブックとはカタログやパンプレット等の印刷データをブラウザ上でページをめくるインターフェイスで閲覧できる仕組みです。印刷に適している反面、ファイル容量が大きいPDFとは異なり、表示速度が速く快適に閲覧できます。しおりやマーカーといった閲覧のための機能も充実しているので、PCだけでなくスマートフォンでの閲覧にも適しています。
画像データやPDFファイルをクラウドサービス上にアップロードするだけでデジタルブック形式に変換し、公開まで行えるサービスもあります。
最近では、広報誌や社内誌をPDF化してWebサイトに掲載する際に、視認の高いデジタルブックの導入をご提案をすることが多くなりました。

まとめ

各種クラウドサービス導入に関するご相談、その他Webサイト制作・運用全般について、当社の経験豊富なディレクターが柔軟に対応いたします。
是非お気軽にお問い合わせください。